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院長コラム

子どもたちと夏の病気

2018.05.19

1:プールでうつる病気、うつらない病気

子どもたちにとって、暑い時にはプールは楽しみです。だけど、こんなとき、プールに入っても大丈夫?

プールのときに気になる病気について考えてみます。

 

  • 水いぼ(伝染性軟属腫)

ペンレステープという麻酔のテープをあらかじめ貼っておき、その後ピンセットでとるなどの治療法がありますが、自然に治ることも多いものです。プールの水ではうつりませんが、肌と肌が触れたり、ビート板や浮き輪を一緒に使うとうつることがあります。その点に気をつければ、プールを禁止する必要はありません。

 

 

  • とびひ(伝染性膿か疹)

虫さされや湿疹をかいてできた皮膚の傷口に、黄色ブドウ球菌や溶連菌などの細菌が感染して水ぶくれができます。そこを触った指で、ほかの場所を触ると次々に広がるので「飛び火」と呼ばれます。抗生剤を飲んだり、塗ったりします。プールの水でうつるわけではありませんが、本人のためによくなるまでひかえましょう。

 

 

  • プール熱(咽頭結膜熱)

プールでうつる病気と思われがちですが、プールに入らなくても、唾液などの飛沫で感染します。原因はアデノウイルスで、高熱、のどが赤い、目の充血などが特徴。5日くらいで症状が軽くなりますが、熱が下がり、のどと目の赤みがとれてから2日たつまでは、外出禁止です。

 

 

  • はやり目(流行性角結膜炎)

プール熱と同じアデノウイルスが原因ですので、プール熱とは兄弟のような病気です。突然、白眼全体が真っ赤に充血し、目やにや涙がでます。伝染力が非常に強く、タオルや手指などから感染します。完全によくなるまで、プールはひかえましょう。

 

 

  • アトピー性皮膚炎

皮膚のバリア機能が弱くなっていますが、じくじくしている場所が多くなければプールに入ってもかまいません。日焼けすると炎症を悪化させるので、屋外なら日焼け止めを塗ること。ただし日焼け止めやプールの塩素は皮膚炎を悪くすることもあります。プールから上がったら、なるべく早く石けんで洗い流し、日頃使っている保湿剤をしっかり塗ってあげましょう。

 

 

2:夏かぜって、どんな病気?

6月を迎えるころになると、夏かぜの患者さんが診察にみえるようになります。突然の高熱や口内炎でお母さんをあわてさせます。夏場が好きなウイルスには、エンテロウイルスやアデノウイルスなどがあります。

 

  • ヘルパンギーナ

原因はおもに、コクサッキーウイルスです。かかる年齢は、ほとんどが4歳以下です。3840℃の「高熱」が突然出て、23日続きます。「のどの奥に小さな水ぶくれ」ができるのが特徴です。のどが痛いので、食欲が落ち、ひどいときは水分もとれなくなり、脱水症になることがあります。

 

  • 手足口病

コクサッキーウイルスA16、エンテロウイルス71など、いくつかのウイルスが原因となります。「手のひら、足の裏、口の中」に小さな米粒大の水ぶくれや発疹がでます。その部位以外にも、手首からひじ、膝がしら、お尻などに広がることがあります。体の発疹は痛みがないのが普通ですが、口にできると痛くてものが食べられなくなることもあります。普通、微熱程度ですが、高熱になることも。

 

夏かぜの予防法は?

唾液などを介しての「飛沫感染」なので、完全に予防することは難しいのですが、「飲み物の回し飲み」をしない」、「同じタオルは使わない」、「できれば接触しない」などを心がけてください。ヘルパンギーナや手足口病は、おとなも子どもからうつることがあるので、注意しましょう。

 

かかってしまったら・・

ウイルスが原因の夏かぜには、抗生物質は効果がありません。特効薬がないので、水分補給が大切です。夏風邪ウイルスは、まれに髄膜炎をおこすことがあります。嘔吐を繰り返したり、頭痛が強かったり、元気がなくぼーっとしている、高熱が続くなどの症状があれば、病院で診察してもらいましょう。

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