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院長コラム

インフルエンザ脳症とはどんな病気?

2018.09.14

インフルエンザ脳症は、小さな子どもたちがインフルエンザに罹ったときに発病する、最も重い合併症です。毎年、数百人が発病し、死亡率は30%に上り、25%の子どもに後遺症が残ります。脳症が生じると脳が腫れ、頭の中の圧力が高まり、このため脳全体の機能が低下してきます。

 

年齢別に分けると、1歳をピークとして、幼児期に最も多く発生しています。症状としては意識障害(呼びかけや痛みで刺激しても目が覚めないような状態)の頻度が最も高く、けいれん、手足の麻痺、嘔吐、異常行動(普段とは違うおかしな言動)といったものが見られます。これらの神経症状は、インフルエンザの発熱のはじまりと同じ日か翌日に出現するなど非常に早く起きます。また解熱剤としてのメフェナム酸やジクロフェナクナトリウムが脳症を重症化させることが明らかになりました。

 

インフルエンザの予防接種に脳症を防ぐ効果があるかどうかは、まだ結論がでていません。けれども子どもたちにおいても、インフルエンザを発病する率、重症化する率をともに低下させることが期待されています。できるだけ11月末頃までに予防接種を済ませましょう。

 

情報クリップ

インフルエンザウイルスには、性質の少しずつ異なる型があり、大きくはAソ連型、A香港型、B型などに分けられます。これらのどれかが、鼻、口から侵入し、呼吸器の粘膜で増殖することによりインフルエンザが発病します。予防接種はそのシーズンの流行株を予測し、A型、B型の両方に対応して製造されます。

 

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