通なら感じないはずの強い不安や恐怖のために、本人がつらい思いをしている、日常生活に支障があるといった場合には、「不安障害」と呼ばれます。その一つの「ストレス障害」には、大震災のような自然災害や重大な事件、事故など、激しいショックを受けた直後に生じるものがあります。
例えば地震の後、夜に眠りが浅くなったり、音に敏感になったりしたこどもたちもいます。また出来事が急に思い出されたり、夢で再現されたりして苦しみ続ける慢性化した外傷性ストレス障害(PTSD)があります。対策としてもっとも大切なのは安心できる環境づくりです。薬物療法は補助的なものです。
一方、家族の死、いじめ、転居や転校など、明らかなストレス原因に対する過剰反応として、さまざまな症状が現れている状態を指す診断名が「適応障害」です。不安や抑うつを伴うこともあれば、行動面の問題として現れることもあります。ストレス原因がなくなれば、短期間で回復します。原因が取り除けるものであれば、除去を試みるのがなによりの治療です。
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家族(特に母親)から引き離されることに不安を示し、学校などへも行けないような場合は、「分離不安障害」と診断されます。こどもに「愛されている」という実感を与えることは大切です。