「母子感染」と一口にいっても、その病原体はウイルス、細菌、原虫と様々です。
出生前に胎盤を経て感染するものもあれば、分娩の際に母体の血液や体液に触れて、あるいは生後に母乳を飲むことで感染するものもあります。
例えばトキソプラズマという原虫が猫の糞を介して妊婦さんに感染すると胎児にも影響が及び、水頭症や網膜の障害などの症状が出て、子どもに視力障害や発達障害などの後遺症を残す場合があります。
最近は風疹が流行し、風疹ウイルスに免疫のない妊婦さんから心臓病や難聴、白内障の障害を持った先天性風疹症候群の赤ちゃんが生まれる報告も増加しています。先天梅毒の防止には妊婦のスクリーニングとペニシリン治療が、また先天性風疹症候群の防止にはワクチン接種による感染予防がそれぞれ必要です。
情報クリップ
B型肝炎は分娩時における母子感染以外に、周囲との接触による感染(唾液や汗・涙などの体液)も、35%ほどあると報告されています。B型肝炎ワクチンの接種をおすすめします。