「先天性股関節脱臼」は脚の付け根の関節がはずれる病気です。その発生は1000人に1~3人程度でまれな病気です。その予防には生まれてからの抱き方や衣服など、赤ちゃんの扱い方を注意することが大切です。
次のような項目が複数あてはまる場合には、3~4か月健診でチェックを受けてみてください。
1)向き癖があり、その反対側の脚がM字型開脚とならない
2)女児(男児より関節が柔らかいため)
3)家族に股関節の悪い人がいる
4)逆子(骨盤位)で生まれた
5)寒い地域や寒い時期(11月~3月)に生まれた(脚を伸ばして衣服でくるんでしまうことがあるため)
股関節の開きが悪い側のそけい部(脚の付け根)の皮膚に発赤がみられたり、そけい部皮膚のしわが深く長くなったりして左右差がみられることも。
仰向けで寝ている時は、両膝と股関節を曲げてM字型に開脚した姿勢で、自由に脚を動かせる環境をつくりましょう。両脚を外から締め付けて脚が伸ばされるような、きついオムツや衣服は避けましょう。
情報クリップ
赤ちゃんを正面から抱くと、両膝と股関節が曲がったM字型開脚となります。この抱き方は「コアラ抱っこ」と呼ばれ、股関節脱臼の予防になります。横抱きのスリングは両脚が伸ばされた状態になり、お勧めできません。