この冬はインフルエンザが流行しました。高熱でつらい思いしたこどもたちも多かったのではないでしょうか。
でも冬に流行する病気はほかにもあります。ウイルス感染による「嘔吐下痢症」です。特にロタウイルスによるものは、突然の嘔吐で始まり、続いて腹痛、水様の下痢が起こります。淡黄色(レモン色)から白色の下痢を特徴とする病気で、12月から3月に流行し、生後6ヶ月から2歳の乳幼児に多く見られます。発熱を伴うことが多く、下痢はおむつから流れ出るような水様性で、回数は数回から数十回まで様々です。嘔吐や水分が多い下痢のため脱水症になりやすいことが特徴です。潜伏期は2~4日とされています。原因がロタウイルスかどうか、便を用いた迅速診断キットで調べることもできます。
嘔吐や下痢の胃腸炎以外の症状として、熱がないのにけいれんを認めることがあります。インフルエンザや水痘とは違い、抗ウイルス薬といった特効薬はありません。吐いた直後には、すぐに水分をあげないようにしましょう。胃腸を休ませる時間も必要です。赤ちゃん用のイオン飲料や、自家製の野菜スープなどで少しずつ水分補給し、消化のよい食べ物による食事療法が大切です。症状に応じて吐き気止めの座薬や整腸剤も使われます。また五苓散、六君子湯、小建中湯などの漢方薬が効果を発揮する場合もあります。おしっこの量が少なく、ひどくぐったりしていれば点滴による水分補給も必要になります。
親も子も手洗いをしっかりして、冬を乗り切りましょう。
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2月下旬より自動電話受付が開始される予定です。電話で診察の順番が取れ、診察の予定時間が確認できます。待合室での待ち時間が短くなり、お母さんも時間を有効に使えるかもしれませんね。