092-852-2570 予約する

院長コラム

こどもにも漢方薬

2019.09.23

“かぜに葛根湯(かっこんとう)”とよく知られていますし、花粉症やアレルギー性鼻炎の場合、「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」という漢方を処方された大人の方も多いかもしれません。けれども“子供にも漢方薬が効く”と言うと不思議に思われますか?

 

最近は虚弱体質という言葉はあまり使われませんが、食が細い、熱を出しやすい、風邪をひきやすい、下痢や便秘を繰り返す、目のまわりに“くま”がある、といった症状を持った子供たちです。また気管支喘息やアトピー性皮膚炎のようなアレルギー体質も、虚弱体質と関係していることがあります。このような場合、漢方薬が効果を発揮する場合が少なくありません。

 

たとえば顔色がよくなく疲れやすいアトピー性皮膚炎の子に、胃腸を丈夫にする「小建中湯(しょうけんちゅうとう)」や「おうぎ建中湯(おうぎけんちゅうとう)」という漢方薬を服用すると、皮膚症状が軽減する場合があります。「中」とはおなかを意味していて、それを「建てる」すなわち丈夫にするという処方です。保湿剤や軟膏などの外用薬もうまく併用しながら体質改善を目指すわけです。また気管支喘息の子では、発作が出ない時期に「柴朴湯(さいぼくとう)」を服用したり、「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」で体調を整えたりすることもあります。もちろん、発作が激しい場合には、吸入や点滴など西洋的治療も必要です。このほかにも、ぐずり、夜泣き、夜尿症にも漢方薬を試みることがあります。

 

“漢方は苦い“というイメージがありますが、顆粒状になったエキス剤をココアに混ぜたり、オブラートに包んだり、イチゴジャムに混ぜたりして飲むことができます。乳児の場合は、直接口の中につけてから母乳やミルクを飲ませるという方法もあります。お母さんに月経困難症や冷え、便秘、肩こりなどの症状があれば、一緒に漢方薬を試してみるのもいいかもしれません。

deco01_03 deco01_02
deco15 deco16 deco01 deco01_01