小学校に入学する子どもたちの約10%に「おねしょ」があるとされます。この「おねしょ」には3つのタイプがあります。まずタイプ1:おしっこを溜める膀胱の容量が小さいもの、タイプ2:夜間に分泌される抗利尿ホルモン(尿を濃くする働き)の量が少ないもの、さらにタイプ3:1+2の両者が見られるものです。「おねしょ」をしている子ども、両親ともに引け目を感じていることがありますが、その原因には遺伝的な影響が強く、本人の性格や親の育て方が原因ではありません。
生活指導の基本は「あせらない」、「怒らない」、「起こさない」の三つです。成長発育には深い睡眠が欠かせません。無理矢理起こすと、抗利尿ホルモンの分泌が低下し、かえって「おねしょ」が治りにくくなります。タイプ1では、昼間の排尿をなるべく我慢する習慣をつけたり、タイプ2では、塩からいものを食べ過ぎず、夕方からの水分摂取を減らすことが重要です。生活の工夫に加えて、薬を飲んだり、点鼻薬を使用することもあります。
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「心因性頻尿」という言葉をご存知でしょうか。熱もなく、おしっこするときに痛む様子もなく、今行ったかと思えば、またトイレにかけ込む・・緊張したこどもの気持ちの現れかもしれません。「また行くの?」は逆効果です。