インフルエンザの診断がつくと、多くの場合インフルエンザの治療薬が処方されます。現在、商品名としては、タミフル(経口薬)、リレンザ(吸入薬)、イナビル(吸入薬)、ラピアクタ(点滴静注)の四種類の抗インフルエンザ薬が主に使用されています。
タミフルは小児用のドライシロップもあり、1歳以上で広く使われてきました。タミフルと異常行動との因果関係を示す結果は得られていませんが、10歳代への使用は原則差し控えることになっています。リレンザとイナビルは、自分で吸入ができる年齢の子どもたちに処方されます。イナビルは1回の吸入で5日投与されたタミフルと同等の効果が期待されます。ラピアクタは、内服や吸入が難しい例や重症例で使用されます。また漢方薬の麻黄湯が、初期のインフルエンザに有効な例も。
インフルエンザでは細菌感染の合併がなければ抗菌薬は不要ですが、熱が下がっても咳、痰、鼻水が続く場合、クラリスロマイシンが併用されることがあります。
情報クリップ
タミフル、リレンザ、イナビルは予防投与が認められていますが、保険適用はなく自費診療となります。重症化が予想される場合などに投与が検討されます。