子どもたちが急に嘔吐し、それに伴って下痢が生じた時、一般には「嘔吐下痢症」と呼ばれます。
原因のほとんどがウイルスなので「ウイルス性胃腸炎」とも呼ばれます。ウイルス性胃腸炎ではノロウイルスが有名になりましたが、子どもではロタウイルス胃腸炎がもっとも重症になりやすく、脳炎などの合併症も起こします。生後5-6ヵ月からかかりやすくなります。
ロタウイルスには多くの種類があり、ウイルスごとの抗原の違いやできた免疫が弱いために、3-5歳頃まで何回もかかることもあります。重症になるのは、主に最初の1-2回です。日本では冬から春にかけて流行が見られ、毎年80万人が外来を受診し、8万人が入院、約10人が死亡すると言われています。ロタウイルスワクチンにより、重症になるのを約90%防ぐことができます。
情報クリップ
ロタウイルスワクチンは任意接種です。ロタリックス(2回接種)とロタテック(3回接種)という、いずれも飲むタイプの生ワクチンです。生後2ヵ月頃から受け始め、それぞれ2回ないし3回を遅くとも生後5ヶ月半-7ヵ月半までに受け、接種を終了します。