「アスペルガー症候群」は、心の働き方が定型発達の子とは異なっていることが原因の発達障害のひとつです。
言葉の遅れや知的な遅れがないため、見かけ上は社会生活に困難があるようには見えません。けれども、円滑な対人関係を築くのが苦手で、他者とのコミュニケーションがうまくとれません。時には、「風変わりな子」、「場の雰囲気がつかめない子」、「がんこな子」などと思われ、周囲から誤解されてしまうことも多いようです。
生まれつきの特性と言えますが、行動の特徴が目立つようになってくるのは2~3歳の頃からです。変に大人びた話し方をする、手順や道順にこだわる、相手の気持ちを推し量ることができない、などの行動の特徴が見られます。状況の急な変化にうまく対応できず、不安からパニックを起こすことも。むずかしい漢字は読めるのに作文は苦手という場合もあります。一方で、世界中の国名と国旗をすべて暗記していたり、すぐれた音楽能力を持つ子どもたちもいます。
その行動を治すというより、予測がつくように「スケジュール」を示したり、覚えて欲しい動きを「写真」で説明したりして、社会生活を送るうえでの困難を取り除く対策や対処法を考えていけるといいですね。
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相手に嫌悪感やときに恐怖感を与え、それが犯罪のきっかけになってしまうことはあり得ます。けれどもアスペルガー症候群の子が犯罪を起こしやすいことを示すデータはないようです。