ポリオワクチンのこと

ポリオという病気をご存じですか。1960年代に日本でも大流行し、全国で約5600人の患者さんが報告されました。その後生ポリオワクチンが導入され、現在、野生株ウイルスによる患者さんは見られません。 ところが世界を見回すと、ナイジェリア、アフガニスタン、パキスタンでは流行があります。国内で患者が発生していなくても、ポリオに対する警戒は必要と言われています。 現在、単独の不活化ポリオワクチンと4種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風・不活化ポリオワクチン)が選択できます。いずれも4回の接種が必要です。生ワクチンの時に問題となった、ワクチンによる麻痺症状は心配なくなりました。便の扱いにも注意する必要はありません。過密な接種スケジュールを効率的にこなすには、肺炎球菌、ヒブワクチンとの同時接種が有効です。場合によっては、任意接種のロタウイルスワクチンやB型肝炎ワクチンも一緒にすることが可能です。   […

のどが赤いですね...

こどもたちが熱をだして小児科を受診したとき、先生から「のどが赤いですね」と診断されたことがあるかもしれませんね。のどが赤くなる原因は何でしょうか?それには細菌の場合とウイルスの場合があります。 細菌が原因として有名なものに、溶連菌による扁桃炎・咽頭炎があります。軟口蓋と呼ばれるのどの天井の壁が燃えるように赤くなったり、口蓋扁桃(いわゆる扁桃腺)が腫れて、白い苔が付着したりします。首のリンパ節が腫れたり、いちごのような表面の舌になることがあります。 一方ウイルスとしては、アデノウイルス、EBウイルス、コクサッキーウイルス、インフルエンザウイルスなどが有名ですし、赤ちゃんの病気である突発性発疹症もヘルペスウイルスの仲間が原因です。ウイルスが原因であれば、抗生剤が効きません。 小児科の先生たちは、こどもたちに大きく口を開けてもらい、「のどが赤いですね・・・」と言いながら、熱の原因が細菌かウイルスか、ウイルスであれば何かのどに特徴がないかを見極めようとしているのです。   […

たかが「おねしょ」、されど「おねしょ」

小学校に入学する子どもたちの約10%に「おねしょ」があるとされます。この「おねしょ」には3つのタイプがあります。まずタイプ1:おしっこを溜める膀胱の容量が小さいもの、タイプ2:夜間に分泌される抗利尿ホルモン(尿を濃くする働き)の量が少ないもの、さらにタイプ3:1+2の両者が見られるものです。「おねしょ」をしている子ども、両親ともに引け目を感じていることがありますが、その原因には遺伝的な影響が強く、本人の性格や親の育て方が原因ではありません。 生活指導の基本は「あせらない」、「怒らない」、「起こさない」の三つです。 成長発育には深い睡眠が欠かせません。無理矢理起こすと、抗利尿ホルモンの分泌が低下し、かえって「おねしょ」が治りにくくなります。タイプ1では、昼間の排尿をなるべく我慢する習慣をつけたり、タイプ2では、塩からいものを食べ過ぎず、夕方からの水分摂取を減らすことが重要です。生活の工夫に加えて、薬を飲んだり、点鼻薬を使用することもあります。   […

赤ちゃんの夏の暮らし

昔と比べて夏の環境や住宅事情も変化しました。それに伴って赤ちゃんの夏の生活も変わり、「冷房病」や「熱中症」も増えているようです。 夏のデパートやスーパーなどは、低い温度設定がされているため、ベビーカーの赤ちゃんにとって冷気が強すぎることも。長時間そのような環境にいると体温が下がって、元気がなくなる「冷房病」の症状がでる場合があります。 「熱中症」は、気温と湿度が高く、汗がでないために体温が上がってしまう状態。窓際においたベビーベッドで起こることも。赤ちゃんの顔が赤くなり、体が熱く、息がハアハアしていたら、日陰や涼しい所に移動し、水分を多めに取って薄着にしましょう。 就寝時は26~27℃ぐらいのドライ運転に設定したり、タイマーを上手に使ってください。赤ちゃんは寝た直後によく動いて大変汗をかくので、背中にタオルやガーゼを挟み、ぐっすり寝てからはずといいでしょう。丈が長めのパジャマは、布団をはいでしまっても安心です。   […

早寝・早起き・朝ごはんのススメ

休みの時期には、朝寝坊や夜更かしをする機会が増えます。夜遅くまでテレビやビデオを見ていると、朝7時からのラジオ体操もついおっくうになるかもしれません。 普段でも子どもたちの生活は深夜型化し、ある調査によると夜10時以降も起きている3歳児の割合が52%と増えています。小中学生でも、「あくびがでる」、「眠い」、「横になりたい」といった訴えが多く、睡眠不足傾向は低年齢化しています。 夜更かしの問題点は何でしょうか。まず慢性の時差ぼけ状態となり、疲労感が増し、食欲・意欲は低下します。また睡眠不足となり、イライラ感が強くなったり、「寝ないと太る」ことも確認されています。 さらに朝の光を浴びないと、脳から分泌されるメラトニンの分泌不足となります。このメラトニンには老化防止や性の早熟を防止する働きもあります。脳内の神経伝達物質のセロトニンも減少し、行動に攻撃性や衝動性が見られるため、低セロトニン症候群と呼ぶ人もいます。 朝の光を浴び、昼間に十分な活動をして、昼寝をする場合は午後3時までに切り上げましょう。2学期に備えて、夏後半から「早寝・早起き・朝ご飯」ができるといいですね。   […

おたふく風邪で耳が聞こえなくなる?

「おたふく風邪」は「流行性耳下腺炎」とも呼ばれ、ムンプスウイルスが原因で、耳の下の耳下腺や顎の下の顎下腺が腫れることで知られています。1~3日の時間差で左右の耳下腺が腫れたり、片方だけが腫れることもあります。合併症として、熱や嘔吐・頭痛が症状の無菌性髄膜炎や膵臓や睾丸などの炎症を引き起こすことはよく知られています。 急に片側の聴力が失われる「ムンプス難聴」も合併症として問題となります。発症年齢は15歳以下が多く、なかでも5-9歳に多いようです。耳下腺や顎下腺の腫脹の4日前より18日以内に発症する高度な難聴ですが、最近では、数百人に一人発症しているとの報告があります。また唾液腺の腫脹なしに難聴が発症する場合もあるようです。 一側性の難聴が多いので、症状を十分に訴えられない幼少児では、見落とされている可能性もあります。片方ずつ耳のそばで指をこする“指こすり”は、簡単な聴力チェックの方法です。 難聴の予防のためにも、「おたふく風邪」の予防接種は積極的に受けましょう。   […